食品工場のライン作業と聞くと、「きつい」「ブラック」といったイメージを持つ方も多いでしょう。実際に弁当やサンドイッチを作る工場のライン作業はどのような仕事なのでしょうか?この記事では、工場のライン作業のリアルな実態を詳しく紹介します。
20年働いている現役経験者がリアルな裏側を伝える!
「コンビニ食品工場ってキツイって聞くけど、本当のところどうなの?」
そんな疑問に、現役で20年働き続けている筆者がズバッと答えます!
コンビニのおにぎりやお弁当、サンドイッチを当たり前に食べているあなた。その“裏側”にはどんな現場があるのか?この記事では、現場のリアルな声を面白く、かつ真面目にお届けします!

- 名前:たろ
- コンビニ食品工場 勤務歴20年超
- 製造の全てを網羅(ライン作業、調理、炊飯、etc)
- 製造管理者。在籍従業員1000人以上
- 正社員として長く働いているからこそ語れる、“良い面・悪い面”すべてお話しします!
ライン作業って具体的に何をするの?
食品工場のライン作業とは、ベルトコンベア上を流れる弁当の容器やパンに決められた食材をのせていく仕事です。たとえばお弁当なら、ご飯やおかずをそれぞれ決められた場所に配置し、サンドイッチならパンに具材を手早く並べていきます。
バイトが配属される、ライン作業ってどんなところ?
- 単純作業の繰り返し。脳みそは使わないので大卒も中卒も学歴関係なし。
- 立ち仕事なので、意外と体力が必要だが筆者は立っているほうが楽。
- ライン作業は10人ぐらいのチーム作業になるので、自分の不手際でラインが止まることもある。
- 常にスピードに追われる上、集中力も必要。
- スピードに加え、食材を指定の場所に置く正確さも求められる。
- 筆者はライン作業が出来ません。ラインが止まった瞬間、三半規管がやられてぶっ倒れます。
- 18歳の学生から70歳の方まで誰でも出来ます。
- 年齢が幅広い違いは、覚えるまで と 慣れるまでが早いか遅いかの違いです。
- 配属場所によりますが食品の鮮度保持のため、工場作業内は15度程度に保たれています。
例えば、弁当ライン で 幕の内弁当 を作る!
幕の内弁当をライン作業で作ります。※画像はセブンイレブン様のを引用
9人で一時間に800個前後作れると思います。
初見で横から見てると出来そうだなって思うのですが、いざやってみるとラインのスピードと、慣れてないので意外に出来ないものです。なので、出来なくて当然なので安心してください。そしてすぐに出来るようになります。



番号は1番目の人って意味です。
①容器を置いて、機械から出てくるご飯をいれる
②ごはんを平らに均して、黒ゴマと梅干をいれる
③透明のカップとマカロニサラダをいれる
④ちくわ、コロッケ、ハンバーグをいれる
⑤紫カップと蓮根人参金平?をいれる
⑥緑のバランとサバ焼きをいれる
⑦赤ウインナーとピンクの漬物をいれる
⑧透明のシートをかけて蓋をする
機械で包装
⑨出来上がった弁当を箱にいれる
なんとなくイメージが出来ましたか?
細かく言うと、基本的には作業を決められていますが、間に合わないときはお互い助け合いながらフォローしながら作業します。
例えば、サンドイッチラインで、ミックスサンド を作る!
ミックスサンドをライン作業で作ります。※画像は各社様のものです。
8人で一時間に1400個前後作れると思います。
(私たちは普通の感覚ですが、数を聞いて驚く人が多いですね)
ラインのスピードは弁当ラインの倍のスピードになります。
なので、出来なくて当然なので安心してください。慣れたら出来るようになります。



番号は1番目の人って意味です。
機械から切られた食パンが流れてくる
機械で玉子サラダが塗られる
機械で蓋側にマヨネーズが塗られる
①玉子サラダの上にゆで卵を置く
②ツナサラダをヘラで塗る
③チーズとハムを置く
④ハムのお手伝いとレタスを置く
⑤ふたをして重ねる
⑥半分に切れる機械に投入する
⑦半分に切れたサンドイッチをトングで袋に入れて、包装が出来る機械に入れる
⑧出来上がったサンドイッチを箱の中に入れる
色々なライン作業、ほかの仕事もたくさんあります。
ライン作業にも作るものが違います。。
ご飯を使う仕事でいうと、弁当ラインのほかに、
おにぎりの中でも、三角ののりに巻かれたおにぎり(手巻きおにぎりって言います)
丸型の色ご飯をつかったおにぎり(直巻き(じかまき)おにぎりって言います)
連続すし巻機で巻き寿司を作って、ライン作業で助六寿司を盛りつけたり
いなり寿司を作る機械もあります。
パンを使う仕事でいうと、サンドイッチラインのほかに、
手包装ラインって言ってるのですが、焼きそばロールだったり、ハンバーガーだったり、
トルティーヤとか、なんか変わったものをライン作業で作っています。
スパゲティやお蕎麦、うどん、惣菜のたこ焼きとかもすべてライン作業です。
やってることは食材が違うだけで、作業自体同じです。
私と一緒に働いている人のリアルな体験談
私と一緒にライン作業をしている現役の声をいくつか紹介します。
- 「最初は足腰が痛くて辛かったけど、2週間くらいで慣れる」(30代子持ち女性)
- 「同じ作業をずっと繰り返すのは飽きる。でも慣れれば黙々と作業できるのが楽」(20代実習生女性)
- 「頭が悪くてもルールを一度覚えれば出来る仕事だから助かる」(60代女性)
- 「仕事は大丈夫だけど、私にとって15度は寒い。夏は温度差でしんどい。」(40代女性)
- 「人間関係は意外と楽だったので、そこは良かった」(40代子持ち女性)
私は社員なので、深いところは分かりませんがこういう意見はよく聞きます。
あと、食品工場のライン作業者は女性が9割5分です。
ライン作業が出来る男性の方は、細かい仕事が苦手ではない。という印象です。
知的障害者の20代男性は、頑張ってロールパンをコンベアに並べてます。
男性の活躍場所は、ライン作業以外の仕事がほとんどですので、そこに配属されます。
ごはん、食材、食パン他、意外と重たいものを持ちます。
要するに女性が少し敬遠しそうな仕事を、男だと重たくない大変じゃない仕事をします。
ライン作業が向いている人・向いていない人
向いている人
- 単純作業が苦にならない人
- もくもくと集中して作業できる人
- 頭を使う仕事をあきらめている人
- 立ち仕事が苦にならない人。足腰問題なければ慣れます。
- 知識より、地頭がいい人(社員目線ですが。社員は助かるんです。)
- トイレへ行きたいときに手を挙げられる人(社員目線ですが。忙しい時は気を使ってあげられないので。)
向いていない人
- 飽きっぽい人(筆者のことですか?はい。ライン作業が大嫌いです。)
- 足腰が悪い人
- 人との会話が多い仕事がしたい人。もくもく作業です。
- ○○アレルギーのある人。アルコール殺菌は常時。サンドイッチ工場だと小麦。
基本的には作業服にマスクと手袋なので、この格好でアレルギーが出なければ大丈夫です。 - 化粧はしてもOK。マニキュア✖、つけまつげ✖、ピアス✖、指輪時計✖
- 清潔感のない人。
「バイト」「パート」立場で、ライン作業の仕事を選ぶポイント
本当のこと言います。
入社してみないと分かりません。
作業は難しくないので、人間関係がどうかだけの話です。
同じ会社でも工場ごとに全く違います。
これは、社員の能力の低さ問題です。
勉強出来ない人が食品工場に来ます。高卒割合が非常に高いです。
結果、低能な工場になりがちです。
筆者の工場は、平和で日本一環境が良い工場だと自負しています。
女性活躍、有給取得率、仕事より家庭優先で休んでよし、結婚出産良いことじゃないですか。
性格が悪いパートさんもいません。
24時間365日動いている工場で、これを成し遂げてる食品工場はなかなかないはずです。
こういう工場もあるって知っててほしいです。
こういう工場じゃない工場のほうが多い気がします。
結論、「運」です。
まとめ どの仕事も大変ですよ
食品工場のライン作業は、確かにきつさもありますが、「ブラック」なわけではありません。仕事内容を理解し、自分の適性を考えて選べば、快適に働くことが可能です。
「ブラック=きつい仕事」と言うなら、仕事はどの仕事も大変です。
今回の記事は、「ライン作業」「バイト」「パート」というキーワードで書かせてもらいました。
バイトを考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!